モンテローザ その2


 凱旋門をくぐり、右カーブの緩やかな坂を登ると、白い3階建てのホテル群と、黄金のねはん像が木の陰から見え隠れする。珍しく積雪の無い道南の2月でも、この日は冷たい風が強く吹いており、1人好奇心は旺盛でも寂しく歩いていると、寒さが身にしみるのであった。
 道なりに進むと、ホテルの前には、薄氷が張ってある噴水?のついたプールが見えてきた。




薄氷のプールの向こうには白亜のホテル



奥には黄金ねはん像が…


 ホテルの玄関前にまさかプール?、ただの噴水のある池ならやたらとでかすぎるし、やっぱりプールなんだろうなあ〜(プールだという根拠は、これらの施設の横にデザインに統一性の無いシャワーと消毒槽があるから)。
 噴水と書いたけれども、下の写真の黄金の女神?のあるプールの真ん中の島部分は噴水なのかただのオブジェなのかは判らない。女神のあるエリアはガッツリ柵が用意されていて、プールとして利用できたのは僅かなスペースなのではないか?というのが上の写真からわかる。プールとして利用しても1年を通じて利用できるのはいくら道南とは言え1ヶ月くらいしかないのではないだろうか?。さらにこの施設を運営管理していくには、相当額が必要だったであろう。
 写真を撮りながら、低い水温に耐えこのプールで子供が無理に泳いでいる姿は想像できたが、若い女の子が水着で泳いでいるのは想像は出来なかった。



女神?の周りには子供たちが…
ライトアップも出来るのか?



プール横にはシャワーと消毒槽
凱旋門から最初に見える建物は
本当はこれなんだけれどもね。
ただしここへの道は
整備されていない



左上写真の右側の青い部分。
何故かプールサイドには
薄氷が張ったデカイ鍋が…
鍋焼きうどん作ったら何人分
食べられるのだろう?



同じく左上写真の中央部分
上の女神、鍋、凱旋門、
ねはん像、その他もろもろ
統一性の無いものばかり



 プール奥の建物は、「Monte Rosa」。このリゾートのホテルである。ガラス張りの窓から中を見ると荒らされることも無く佇んでいる。たいていこういう人がいない建物にはスプレーによる低俗な落書きがしてあるものだが、ここは知名度がないこと、交通の便が悪いことなどが関与して落書きされていないのではないだろうか?。落書きがないのは大変良いことである。
 屋内を探索したい気持ちもあるが1人だとやっぱり、何かあったときに怖いし、時間的なことを考えて踏みとどまった。この建物の横にも旧館らしきホテル「恵山高原ホテル」があって、ぼろい連絡通路で結ばれている。その連絡通路のところにナンバーつきのスバルの軽トラが何故だか印象的だった。



比較的綺麗なホテル内部



北海道にもかかわらず大分ナンバー


 軽トラの近くには「モンテローザ クルーズ出発地」と書かれた看板が置いてあって、前出したものやこれから後出するものを、ガイドが乗ったマイクロバス?なんぞで周ってたのでしょうかね。って一体、1日にこのクルーズは何回あったのだろう。シュールさの感動は得られるでしょうが、これらを見せるだけのリゾートでは「モンテローザ」へのリピーターが沢山いたとは考えられないな〜。バブルとは恐ろしいね。



クルーズ出発地と雑草とふて寝する仏像



旧館?の恵山高原ホテルと噴水



 クルーズ出発地から黄金ねはん像方向へ向かうと右上の「恵山高原ホテル」がある。その正面にはエンゼル?の噴水があってその横に、モンテローザのハイライトである「ふて寝する巨大黄金ねはん像」が存在している。とにかくデカく、前ページで記載したHPでは全長45メートルと記載されている。また、ねはん像の中央には賽銭箱(浄財箱)があった。この浄財の管理者はモンテローザであったのだろうかという疑問と、はたして賽銭を入れた人間がどれ程いたのだろうかという疑問を持ちつつ、このroadside物件の写真を撮りまくる。賽銭入れたとしても大金を入れる人はまずいなかったであろう。入れても5円とかそんなものでしょう?きっと。




右上写真の噴水の緑色の縁にカメラを置いてセルフ撮影。ふて寝するねはん像と僕(右下中央)との大きさ比べることで、その大きさが判ってもらえるだろうか。


 仏像の下の黒い部分には、釈迦が生まれてから死ぬまの事跡を浮き彫りで示している。写真でもなにか彫りこまれているような感じはするでしょ?
 この像から少しはなれた場所にねはん像設立の由来と聖徳太子について書かれた石碑がある。石碑から、「ねはん」の意味はお釈迦様が入滅するときの姿で、全ての煩悩から解脱した不生不滅の大悟の境地と言うように生も死も超越した最も理想的な姿なんだそうです。また何故この場所に建てたかというと、私たちに偉大な教訓をのこして人生の道標を与えたお釈迦様を人として最も理想的といわれる「ねはん」の姿で再現し、少しでも悟りの境地に近づ期待という願望から霊山として名高い恵山に
特に選んで建設したということみたいです。兎に角、お金はすごいかかっているよね。



噴水と仏像のミスマッチ



ねはん像の中にミニねはん像が…


 ねはん像をぐるっと見終わってさて帰ろうかと思ったら、左上写真の腕の下に四角い穴が開いていて真っ暗な中に入ってみると鉄骨が組んであってミニサイズのねはん像がそこにあった。ミニといっても5メートルはありそうだった。何せ暗くて右上写真もフラッシュ焚いて初めてその形が判った。これは何のためのものなんだろう?

 その後は、駐車場に戻ろうとしたら海が綺麗に見えた。もっと違うリゾートだったなら…。



あの海の方向に見えるものは何?

続く

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