トンネルの上は楽園だよ

国道273号 浮島峠旧道


 国道273号線は帯広から三国峠、大雪ダム、層雲峡、上川を通り、浮島峠、滝上を経てオホーツクの紋別までの途中国道39号と333号と重複区間も含んだ北海道の南北を結ぶ道である(どちらが起点かわからないですが)。
 今回紹介する浮島峠は、昭和59年に新道の浮島トンネルが開通したことによって、峠を通る時間が大幅に短縮された。これによって砂利道の上川側はポンルベシベ支川に沿って分水嶺を超え、滝上側はヘアピンで下る峠の旧道区間を走る車は殆どいなくなった。しかし、この道は楽園に通じる道なのである。

 上川側からの訪問で、国道333号と分岐して舗装され快適な山道も厳しくなる。2キロ程走るとトンネルが見えてくる手前に右に分岐する旧道入口がある(1)。カーブもきつくない砂利道で(2)、さすが国道の旧道という感じである(3)。「熊注意!!山菜とるか命をとるか」みたいなことを書かれた熊出没の注意書きが道路上に何個かあり、約2キロ走ると「楽園への入口」浮島湿原の案内板がある(4)。案内板は風雪に耐えられないためか、浮島湿原と書かれた板は下に落ちていた。ここには水洗トイレと整備された駐車場がある。
 ここに車を停め、湿原までは山道1600mの徒歩である(5)。熊笹と巨大な木々の中を整備された道を歩くのだが、途中結構ぬかるんでいるので雨上がりは気を付けたい。途中パブリックの森と書かれた植林地帯もある(6)。(6)の写真では見えないが、白い部分には「森の中 緑がゆれる 笑ってる」と書かれている。木道が現れるとそこが浮島湿原である(7)。
 トンネルの上にある楽園。トンネルを何も知らずに抜けてしまう人が多いであろうし、道外からの観光客も存在を殆ど知らないでしょうし…。ある程度整備されているが、駐車場から歩かなくてはいけないこともあるせいか観光地化されていないため、ここが秘境であることには間違いが無い。



(1)浮島峠の旧道入口



(2)ミラー付きのカーブ



(3)整備されているので走りやすい



(4)浮島湿原入口 その1



(5)湿原までは徒歩の道



(6)植林もされている



(7)「楽園」浮島湿原到着



(8)晴れていれば最高だね



(9)沼に映る木々



(10)沼の植物



(11)人が歩いてきたよ
 浮島湿原は、面積約22haで、大小約70の沼が点在しそのいくつかには浮島がある。湿原周辺はエゾヒツジグサなどの水生植物、モウセンゴケなどの水生植物、チングルマなどの高山植物、そして野鳥がいるが、晩夏だったため花も咲き終わり、曇り空だったので、初夏の晴れた日はさぞかしきれいであろう(9、10)。
 湿原部を全てまわらなかったが、引き返すと2組のグループとすれ違った(11)。(11)の写真より、熊笹が背丈より高いのが判るでしょうか?。
 駐車場に戻り、再び峠を目指し出発(12)。しばらく走ると浮島峠と書かれた案内板と町名表が現れる(13)。この横はやや開けており、旧道しかないときは休憩ポイントだったのであろう。ここを境に道幅は狭くなり対向車がくればすれ違いづらくなる。また紋別85k、滝の上45kの旧型の案内板も残っている(14)。この辺りからカーブ、勾配も上川側よりもきつくなる。何回かヘアピンカーブを過ぎると、もう一つの湿原への入口があるがこちらには駐車場が無い(15)。新しい案内板がどういうわけか反転しているのが気がかりだ。
 新しい国道に出ると、そこはトンネル出口とバンガローやキャンプ場が整備された浮樹浮木ランドという名のキャンプ場がある。個人的にはとても良いネーミングで気に入っているけれども、どうやら閉鎖されているみたいで、ロープが張られている。トンネルの出入口、交通量もそこそこ、危ないのかな?

 駐車場

(12)峠へ向かう道、右が駐車場



(13)峠、ここから道は狭くなる



(14)古い案内板と狭い道
 昔は、この道路を通っていたことを考えると、浮島トンネルによって冬も通行できて便利になったよな〜、ってつくずく思うのであった。

路面★★☆☆☆
景色★☆☆☆☆
湿原まで行けば★★★★★


2002年の晩夏の訪問



(15)浮島湿原入口 その2



(16)浮樹浮木ランド


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