美幌と女満別間の国道39号線は現在、石北本線の西側、網走川沿いの田んぼの中を走っているが、かつての道路は、網走川沿いではなく、石北本線の東側を通っていた。昭和24年の地形図を見ると、まだ石北本線が網走本線と書かれているとなりのグネグネの道がそれである。
ここの場所は、女満別の先にある網走湖へそそぐ網走川のちょっとした平野と言ったらよいのか湿地、氾濫原が美幌付近から続いていたようで、河川改良がおこなる前までは川は蛇行を繰り返していた。
そんな地形なため、勾配を好まない線路は、湿地から大地に変わるぎりぎりの場所を通っている。一方道路は、地盤の問題から台地の上を通るルートが選ばれていた。ただし、網走川に流れ込む支流の作った谷を横断するため、道路は谷を下っては上るため道路がグネっと曲がったものとなっている。
今回、この区間の一部、美幌川付近から現在の女満別空港までを走ってみた。実際はあまり下調べをしていなかったので、女満別側は調査していない。
2006年7月走行
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20万分の1 斜里 S24/02/28修正発行 |
5万分の1 美幌 S33/01/30発行
5万分の1 女満別S32/09/30発行
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(1)国道334から分岐する旧道 |
(2)本来は直進路だったであろう丁字路 |
(3)見落としやすい旧道入口 |
国道39号線、美幌市街から美幌川を美幌橋で渡って国道334号に分かれるとすぐ右に行く道がある(1)。ここで左側を見ると、川向うに旧道であったであろう道が続いている。
右の道は、高校があるせいか、立派な2車線道路となっている。緩やかに美幌川が削った谷を上がるとすぐ左折となる。もともとはこちらの道が優先だったが直線的に道路はひかれているので旧道の宿命といったところだわね(2)。
しばらく直線的に道路が進み、、やや勾配が…というところでやや直角に近い左カーブ、道はそのまままっすぐ続いているが、旧道はここをヘアピンでさらにぐねっと曲がるのである。走っていると見落としそうな交差点を曲がる。道は全面舗装(3)。
何となくまっすぐな道を進む(4)。特徴的に畑に並木が生える景色(5)。そして旧道は39号美幌バイパスをきれいな太い橋で渡る(6)。今までの道幅と、この道路の道幅は差がありすぎる。
このバイパスは直線的にグネグネとした旧道に対し直線的に掘割と橋梁による快走路である。 |
(4)道幅は狭くなった |
(5)区画を示す並木がきれい |
(6)美幌バイパスを立派な橋で渡る |
(7)傾斜地は森 |
(8)黒瀬川の谷地 |
(9)美幌バイパスより高い所を行く |
バイパスを超えると、地形に沿ってグネグネと進む(7)。耕作に向かない傾斜地は樹林となっている。森を抜けると黒瀬川の谷に降り、川の低地に畑が現れる(8)。なぜだか黒瀬川を渡る道はヘアピンカーブ。そして対岸に渡ると、勾配で一気に丘の上に出る。
丘の上に出ると、掘割の美幌バイパスを見下ろす並行路(9)。
そして無名?川の谷を下るところで美幌バイパスの下をくぐる(10)。このあたりが美幌と女満別(大空町:私は地名らしさを失って輝きを亡くした町名だと思うのだが、全国的に知名度もある女満別を捨ててしまう自治体のあり方がわからない)の境界でもある。
その谷底からまた樹林を抜けると、一面の畑の遠くに、斜里岳が見える(11)。
台地に上がった最初の交差点で道路も2車線道路となり(12)、そのまま進むと女満別空港が現れる(13)。 |
(10)バイパスの下をくぐる |
(11)遠くに斜里岳 |
(12)道が広くなる空港前道路 |
(13)女満別空港 |
この先、もともとの旧道はこの女満別空港になってしまったところを通っていた。
しがない道の紹介、2000年発行の堀淳一著、「忘れられた道 完」ではダート道だったが、きっと美幌バイパス整備の工事で舗装もされたのであろう。
路面★★☆☆☆ 景色★★☆☆☆
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