花とシネマのドリームランド

産炭地夕張の炭住が広がっていた福住地区の北陵中学校跡を中心(写真中央)とした場所に、花とシネマのドリームランドがある。
約30ヘクタール、季節の花々約12万株が、鮮やかなジュウタンを丘に広げます、ということだが、果たしてそんなに花は植えられたのであろうか?

2002年6月訪問


炭住が並んでいた福住地区


花とサウンドオブミュージック


戦車の張りぼて

雪解けの4月で花が無い時期に訪問したがこれでは意味が無いので花のあるシーズンに再訪した。国際映画祭が毎年冬に行われるときにはお休みしている名前負けの公園なのであるが、夏の花壇は花が咲き乱れる。
約30ヘクタールの広大な敷地に綺麗に花が植え込まれている。その奥には、巨大すぎて可愛げのない「サウンド・オブ・ミュージック」のジュリー・アンドリューズの歌う書き割り、滝がある。
滝はわざわざ水を循環させている人工のもので、訪問者もさびしい限りで、この花壇にこれ必要だったの??

また、公園の横には89年に公開された日本映画「226」で撮影に使用された戦車のハリボテがある。
花の公園として整備したが、強引に「シネマ」という言葉をは取ってつけた感が否めない公園である。


このページを作っているときに知ったのだが、花とシネマのドリームランドは、ここの写真のエリアだけでなかった。

写真のエリアは第一ゾーンレインボーゾーンというところだけだった。

他には、第二ゾーンファンタスティックゾーン、第三ゾーン市章花園、第四ゾーン長良緑園、第五ゾーン富岡花園、第六ゾーン中国山査子花園、第七ゾーン新四国霊場88カ所

といった具合だ。他にも展望広場や駐車場等が何カ所かあったようだ。

。果たしてすべて管理されていたのかはわからない。



廃園後、荒地となったドリームランド

その後再訪問したのが2006年10月。

すでに花とシネマのドリームランドは、夕張市の負債問題で、すでにこの年には廃園となっていた。
30ヘクタールの花壇は荒地と化して雑草が生い茂った状態だった。
サウンドオブミュージックの書き割りも消え、銅像と学校跡の記念碑だけがこの地に残っていた。

これだけの広大な土地に本当に12万株の花が植わって管理されていたのであれば、ものすごくきれいだし、おのずと人は集まってくるわけだよね?。そうであったのなら観光の超が付く目玉であったわけだが、実際には夢物語でおわったのだろう。

いろいろなことに手を付けて管理はできず集客もできず…。このドリームランドを滝上や大空町の芝桜キッチリとした花の施設にしていたのであれば、違っていたであろう。 同じ整備するならば、芝桜かラベンダーを植えておけば…集客できたのでは?なんて思っていたら、夕張に桜を植樹して日本一の桜の町にしようとするプロジェクトがあるようです。

ちなみに、2012年は取り付け道路は崩壊し閉鎖され訪問できなかった。





めろん城(ゆうばりめろん城)

石炭の歴史村の奥、道道も峠越えの区間となる一角に、西洋風の城にも見える建物、めろん城がある。

このめろん城は、炭砿全盛期に丁未小学校があった平地を利用したもので、現在は無人の高台の地に建っているのである。

めろん城は、農業の振興を図るため、農業団体からの強い要請を受け、夕張市はメロンの加工事業の実施を決定し、メロンを使ったブランデーやワインの製造研究のために職員を技術研修に送り、昭和59年8月には「めろん酒」の販売、1985年(昭和60年2月)に農産物処理加工センター第1工場として完成した。

訪問は2006年10月。
館内に入ると、そこは酒工場だった。見学施設を前提とした造りとなっており、ガラス張りの通路から、リキュールブランデービン詰室、、ブランデー蒸留室、発酵室を見ることができる。訪問時は稼働はしていなかったが、もしかすると酒を造る時期というのは限られていて、稼働している施設を見るほうが難しいのかもしれない。
 

外観が城風?のめろん城
 

ブランデー蒸留室
 

発酵タンク

めろん城の裏には、冷凍保存庫、ブランデー貯蔵庫、 納品倉庫がある。

ブランデー倉庫はガラス張りになっており、樽が並んでいるのが見えるが、大きな貯蔵スペースに対して、樽の数が少ないのが現状であった。
 

ブランデー貯蔵庫
 

物産センター「カサブランカ」
 
石炭の歴史村観光が運営していたが、2006年11月破産し、めろん城は一度落城する。
その後指定管理者制度により、2007年4月からめろん城のもと社員が起業してできた「夕張酒造」が経営を引き継いでいたが、 資金繰り悪化で管理者から外れ、2009年(平成21年)に夕張市はこの建物をはじめ、カサブランカなどを売却にだす。

カサブランカは、めろん城に隣接して設置され、農産物処理加工センターで製造された特産品のPRや販売を行い、地域の振興を図る目的で1991年(平成3年9月)に出来た。人のこないこの地にわざわざ物産センターを造ってしまう夕張市にやはり責任は…。
2003年には約4万人訪問したとあるが、夏季だけの営業でそれだけの人間が訪問したかは疑問が残る。

私はこのカサブランカでは、ここで造られた酒類やこの地域の名前の入っているけど地元で作られていない菓子類には見向きをせず、もう入ることはできなくなるであろう「めろん城」のマグネットを購入した。

めろん城で製造された商品は以下のものとなる。

昭和59年8月:めろん酒
昭和61年10月:メロンブランデー
平成元年4月:ゆうばり寅次郎(スピリッツ)、ワインシューパロ、夕張メロンワイン
平成2年4月:メロンゼリー
平成4年4月:高級メロンゼリー「夕張」
平成4年5月:スウィートワイン「ヌード」(メロン、ウメ、ハスカップ)
平成5年6月:スウィートワイン「ヌード」(チェリー、アップル、ストロベリー)
平成6年2月:寅次郎「シネガボトル」
平成7年4月:アイスクリーム「夕張メロン」「ハスカップ」、ゼリー3品セット「夕張北方果樹園」
平成8年4月:長芋焼酎「ゆうばり寅次郎」
平成19 年 :夕張寅次郎、樽熟、樽貯蔵古酒(夕張酒造梶j

私は口にしたことはないものばかりなので味は解らないが、嗜好品とはいえ、本当に美味しければそれなりに売れたであろう…。売却に出たところを見ると…あまり売れなかったのかしら?。


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