ロボット大科学館

ロボット大科学館は、市が約8億4000万円を費やし1988年完成した施設。
特徴的な建築物で、冬の雪に高じるための維持費等を考えるとかなりのお金が費やされたと思われる。建物の老朽化ということで夕張市の業者が無償で2008年8月末から解体撤去した。

夕張問題が出たときに、負の象徴、悪の根源として散々叩かれた施設で、記憶にある方もいると思う。

閉鎖間際の2006年10月訪問

白亜の近未来的な建物のゆうばりロボット大科学館。入口では、ウェルカムロボット信介君が「こんにちは〜…」と挨拶してくれる(確か)。館内へ入ると、受付嬢は細身のロボットのパリエちゃん。そしてその奥に、鉄人28号。閉館後にここにあるロボット群のオークションでは60万円で落札されニュースにもなった。


1988年完成、20年で解体の運命


ウェルカムロボット信介君


鉄人28号と受付嬢パリエちゃん


相沢博士のロボットたち


建物中央に鎮座するユーバロット


コクピットへで操縦できるよ

順路に従い2階へ。そこには、入り口のウェルカムロボットと似た形のカラフルなロボットが並んでいる。
これらのロボットは(財)日本児童文化研究所の相澤次郎氏(1903-1996)が、子供達に見せる目的で、角ばったボディーにどっしりとした足を持ち、頭にはアンテナという本格的な人間型ロボットを製作したものである。筆者が子どものころから慣れ親しんだ形のロボットだけど、これらのロボットは約800体造られたうちの一部で、現存するものは少ないそうだ。今の世の中ではこのようなデザインのロボットにはならないだろうが、古臭い?、そんなことないよ、夢があった形しているよね。

先に進むと、高さ12mもあるユーバロットが。石炭と、水で動くという設定の夕張というより地球を守る救世主のお話の主人公でもある。
このユーバロットの中には操縦席があり、ちょっとばかし動かすことができる?忘れちゃったけど…。顔が動いて目が光ってって感じです、きっと。今まででこんな大型のロボット、そしてそれを操縦できるような体験型アトラクションって、他にある???。惜しい施設でしたね。
ユーバロットのミニチュアもあったかな?。これはオークションに出ていて欲しかったけどおける場所がないのだった。いくらで落札されたのだろう?


1階から見たユーバロット


ロボットと遊べるコーナー


しゃべりを真似するマネルちゃん


ロボット博士の研究室


博士の後ろに何故かiMac
2階から降りると、子どもも大人もロボットと遊べるコーナーがあったり、ロボット科学館が出来た頃の工業ロボットやその発展像が描かれた近未来的なイラストパネルが並んでいる一角に、マネルちゃんという、こちらが喋ったことを真似てくれるロボットがある。

1988年完成当初は、機械が言葉を真似るという行為は物珍しかったのかもしれないが、今のご時世のコンピューターでいけば珍しいモノでもなんでもない。

そしてロボット博士の研究室が、ユーバロットの足のの後側にあり、中央のボタンを押すと博士がしゃべるのだ。何故かiMACがあるのだが、他の備品は完成当初からあったのかな?

まあこんな感じの施設なんだが、私が訪問した時は、子ども連れ、カップルなどそれなりににぎわっていたが、平日は人が来ない日もあるだろうなあといった感じ。子どもたちは、ニコニコした顔でこれらの施設を楽しんでいるように見えた。大人たちも、冷やかしな目線もあれば、どこか懐かしい感じで見ることができた施設だった。。





この建物が完成した1988年の出来事として、道内では青函トンネルが開通、札幌市営地下鉄東豊線が開業、日本では、東京ドーム完成、リクルート事件などがある。1985年には、EXPO85が筑波で科学博覧会として開催、バブル景気の頃という時代背景にロボット大科学館は造られたのである、その時代背景を念頭にこの施設を見ていただければ、この施設を作ったことが悪の根源のように叩かれるのはいかがなものかと私は思っている。
日本全国、いろいろなところにそれがその地域に全く関係ない観光施設のバブル遺産というか箱物はある。バブル以前の施設だって多数あるはずだ。

それから今の世の中であれば、ここで紹介されるような形のロボット型のおもちゃって玩具店で今ほとんど売っていないであろう。これができた頃って、ファミリーコンピューターロボット(売れなかったけど)に代表されるような形のロボットがまだ結構あったわけで、娯楽が今よりも少ない年代であれば、集客は多くはないにしてもあったであろう。

ただ、その後、これらのロボットが未来のイメージだったものがコンピューター社会がきっと皆が思っている以上進んで、あっという間に時代遅れの形になってしまった。誰もが身近に感じ共感できるようなロボットは、ソニーで開発したAIBOが生産終了した時点で、未来のものじゃなくったんだなあと思う私である。

魅力もなくなり、ほかの地方に乱立した世界各国型テーマパークのように企画の更新もできず、一度行けばもういいや、みたいに、リピーターも少なく集客できないという形になってしまい赤字が膨らんでしまったというところなのだろう。

今の世の中版の、こういうロボット科学館的な施設って、今存在しているのだろうか?。しないいよね?。現代のロボット像はここで紹介したロボット館のものとはかなり異なる世界であることには違いなく、もしこの施設が、現在のロボットに特化している施設として、現代の工業ロボットが置いてあったとしてもそれは子供には楽しめるのではないよなあ。一応自動車組立?工業ロボットの模型展示はあったかなあ?






知られざる世界の動物館

歴史の村の高台、道道に面した建物が、知られざる世界の動物館である。残念ながら2006年石炭の歴史村が自己破産した際にロボット館と共に閉館したが建物は2012年現在現存する。

夕張で、なかなか道内でも見ることができない動物がたくさん見れる施設なのだが、その動物とは、世界各国から集められた約1000体の剥製である。

閉鎖間際の2006年10月訪問

パンフレットには、まるで生きているかのように迫る!と書かれているが、そんなことはなかった…。見る人によってはあったのかな…?。

元々、この建物を動物館にしようとして建てられたものなのかは不明で、どうにも照明が薄暗い。そんな中に、動物の剥製がたくさん並んでいるのである。陰湿とまでとは言わないが、何とも言えない独特な重い雰囲気なのだ。

建物に入ると、大型の剥製群が並ぶ。ベンガルトラに出迎えられる。2階に上がるとタイリクオオカミ、ニアラ、クマなど…。そして壁には、頭だけのサイや
牛やインパラに似た角の長い動物たちの剥製が並んでいる。


階段を上るとそこに動物館


入るとベンガルトラが出迎える


動物の頭が並ぶ壮観な光景

剥製の先に進むと、そこには、世界各地をテーマとした動物の剥製が所狭しと陳列されている。それを建物の端に通路があり、そこからそれらを俯瞰するというのだけど、建物の通路と、動物群がミスマッチ。

突然のスコールや、動物や鳥たちの鳴き声、森のざわめきなど、音と光を駆使し、ジャングルさながらの迫力を演出と、パンフに書かれているが、音は流れていたかな?どうだっただろう。ここに出していない写真見ると、鳥の展示では、流れていたようにも思える。ん〜忘れてしまった。
そして、一部の展示は、水が流れる仕掛けがあるが、当然?流れていなかった。演出していたんだね。鳥(もちろん剥製)が木に止まっていたが、水がかかったであろう場所には剥製はなかったね。

一階に下りると、間近で剥製を見ることができる。あまりの量なので、じっくり見ることもなく、さらりと見て終わってしまった。

剥製の他にも、昆虫のコレクションもある。


上から目線で剥製たちを見る


エチオピア地区(アフリカ?)


昆虫も並んでいる
  
これらの1000体の剥製は、歴史村ができる前年、夕張市に寄贈すると申し出た男がおり、それに伴い、その時の市長が「動物館」を建設することを独断で決めた。ただ、寄贈されるべく1000体の剥製は、担保にとられており、実際はそれを解除するため市が5000万円で購入と同時に歴史村に転売した。この歴史村香取費用を金融機関から借り、市が債務保証をする形で、ヤミ起債をする。この手口がその後増えていく…(追跡・夕張問題 北海道新聞取材班 講談社文庫参照)。

最後に、写真たくさん撮ったのだけど、薄暗いところ撮影したので、ピンボケのものだらけで、見せたいカットのものが見せられず…。

2012年、この建物の横を通ったが、雪の重みで屋根の軒が拉げていたので、建物は利用できる感じではなさそうだった。



戻る