波しぶきひとつまで、奥尻です。



 

 北海道の離島の中でも地味な感のある島&北海道じゃ南の島、「奥尻島」に2001年の夏に職場のリーダーキムさん、ミヤさん、トミさんと訪問した。これを製作しているのは、2002年の夏である(笑)。

 奥尻島へは、瀬棚(1時間35分)と江差(2時間10分)からフェリー、札幌丘珠(45分)と函館(40分)から飛行機で行くことが出来る。このときの旅では瀬棚までトミさんB’z槙原号で行き、フェリー乗り場で車を預け、人間だけ船に乗り奥尻ではレンタカーに乗るというプランであった。

 奥尻島に行くにあたって、海の幸とか、自然がいっぱいだとか、そういった目的もあったが、ロードサイダーとしてはうにまる君の着ぐるみ、うにまるモニュメント、佐藤義則野球展示室を見たいという気持ちが大きかったかも…。

 券売機で2等1560円を買い乗船し、カーペットの上でゴロゴロしながら過ごすが、船が小さいせいか沖合に出ると揺れたような気がした(たしか台風が接近していたのかな?)。ちなみに瀬棚からの船は冬は運休する季節便である。


東日本海フェリー ニューひやま


船から奥尻島を望む


 


うにまる君は人気者

 奥尻港に着くと、「うにまる君」が出迎えてくれた。うにまる君は子供たちに大人気で、Onちゃんの着ぐるみみたいに蹴りを入れられるような光景は無かった。これも平穏な離島だからなのか…。島に着いた早々、ひとつこれで奥尻に着た目的が達成された。

 レンタカー・タカダで軽自動車のバンを借り、じゃんけんに負けて僕が運転手になった。軽自動車運転するのは初めてだったよ。レンタカー・タカダは高田商店という店の人がやっているので、レンタカーの受付はその商店のレジなのでなんとなく違和感あったよな〜。車の中には5年前くらいの歌謡曲のテープがあって、それを聴きながらのドライブになった。ココから時計回りで島を紹介していくよ。まずは「うにまる」を見に行く。



「うにまる」が日光で光る

 うにまるパークセンターという高台に、うにの不思議なモニュメント「うにまる」がある。これと海を見ているとノホホンと出来るのである。夜はとても綺麗にライトアップされるらしい。

 公園には奥尻のヒーロー佐藤義則の野球展示室がある。40歳過ぎてのノーヒットノーランをするような偉大な人ですよ。


通算501試合165勝137敗48S
防御率3.97
'85最多勝、'86最優秀防御率
'84・'85最多奪三振
'77新人王
ノーヒットノーラン('95. 8.26)


 島の南端の青苗地区でウニ丼を食べたが、正直積丹のほうが美味しいような…。

 平成5年7月12日に発生した北海道南西沖地震、僕はこのとき大学1年生で部活の先輩から「北海道が大変なことになっている」と言われてはじめてこの大きさを知った。
 地震直後に島を襲った津波、その後の大火災で198人の命が奪われたことは記憶に新しい。震災の代償として青苗の街並みも新しくなり、記憶の陰に忘れさせないために出来たオープンしたての奥尻島津波館(写真なし)では、災害の記録映像や、子供たちが見て体験した内容の詩が展示されている。また島からの出土品の模型も展示している。この建物の周囲は慰霊碑と緑地公園が整備された。

 青苗漁港では、11.7mの津波がきたことが照明されている。そして島の西側には23.2mきたことが示されている。
 島西側へ向かうと空港があり、それを超えると護岸工事をした海岸線に沿って道はクネクネと続く。



オブジェと神威山

 奇岩など眺めつつ、しばらく走ると北追岬がある。そこには流政之氏の彫刻が何点かあり、散策路が整備されていた。ここから見える景色に温泉が見えるではないですか…。とりあえず入ってみよう。

 港の岸壁にある白い建物は町営神威脇温泉保養所で、ショッパイお湯だったよ。二階に浴室があって海と港を眺めながら露天風呂は無いけれど、お客さんは僕たちだけで昼から温泉でマッタリできたよ。


港には温泉がある



離島には珍しい温泉

 地震の前触れとして、湯温が普段60度前後のものだが、地震の10日ほど前から80度から90度くらいに上がって、いつもの3倍も水でうめたと言う話がある。

 ここから島の北側に向かうには海岸線ではなく内陸の川と山を通っていくのだが、「八十八曲り」と呼ばれる川沿いの狭く本当に88箇所曲がってるんじゃないかという道を登っていく。現在「八十八曲り」は新しく道が付け替えられ通行できなくなった。
 「八十八曲り」を超えると、道がわかれ北を目指す。途中にある球島山の頂上に登ると島の東西北の海が一望できる。風が強かったぞ。



山頂から南東を見る

 北への道は狭いダートである。北端は「賽の河原公園」として整備され、寂しい石の海岸線には無数の石積みがあり、その横では売店なんかも整備されている(写真なし)。

 奥尻港へ戻る途中、急斜面の岩山にうえにある宮津弁天に寄る。港でレンタカーを返すために給油するとレギュラー1L131円もしたよ。札幌と40円も違うんだよね。ここでお土産としてこの後記載している「なべつる岩」の絵の日本手ぬぐいを買う。お土産でタオルは普通だが、手ぬぐいは珍しいよね。
 最後に、奥尻町を象徴する奇岩「なべつる岩」を見る。波の侵食でこのような形になるなんて驚きですよ!!。



なべつる岩

 ここの駐車場兼展望台の街灯を見ると、そこには「うにまる」が…。

 軽自動車を無事返却し、民宿清運丸に泊る。ここではウニ、あわび、イカ刺しを食べる。
 そして就寝して昨日乗ったフェリーの折り返しの便で帰るのであった。


こんなところにも「うにまる」

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