楓駅に行ってみた!!



 楓駅。「かえでえき」、札幌と道東を短絡する石勝線の途中駅で素敵な名前のこの駅は、かなり変わりモノである。

 どう変わっているかというと、この駅に停まり乗り降りのできる列車は1日1往復しかないのである。しかもその列車も5.7キロ離れた隣の新夕張駅から1駅間を朝に往復するので、楓から道東方面の隣駅占冠まで(距離にして28.6キロ)行くには、新夕張まで戻らないと列車は来ないのである。そんな駅なので要チェックなところに、2001年にさらに日曜運休になってしまって限りなく列車に乗って楓駅に行く(楓駅から乗る)が困難になってしまった。

 楓駅は国道274号に面しており、車で到達するのは容易く、集落もある程度ある場所だが列車での訪問は難しい故に秘境探検なのである。過去に楓駅に小幌駅に一緒に行ったオバラくんと車で訪問したことがあるが、北海道アウトローな場所紹介者?の僕としては列車で訪問してこそ意味がある(どういう意味じゃ…)と思い、2002年8月31日土曜日、列車に乗るべく行動に出たのである。
 朝早いので新夕張駅まで車で行き、新夕張と楓の間を往復してくることにするが、列車で往復して帰ってくるのもつまらないので、まず楓駅に折りたたみ自転車を置いておき、車で新夕張駅に戻り列車で楓駅まで行き、自転車で楓の集落を訪問して新夕張駅に戻るという計画とする。


 8月31日早朝4時に札幌の自宅を出発し高速使って夕張へ。家から夕張ICまで1時間10分ちょっと早く着きすぎたので、楓のちょっと山奥に残る登川炭鉱跡をほんのちょっと見て楓駅にまず行ってみる。するとこの駅で一夜を過ごした道内旅行中の青年がいたよ。そんななか折りたたみ自転車を置いて新夕張駅に行く。

 新夕張駅(1)といっても、道内の人間はあまりイメージが湧かないと思うが、場所は274号線夕張市紅葉山にある。もともと新夕張という駅名の前は紅葉山(2)であった。「紅葉山」の隣が「楓」なんて綺麗だよね。

 乗る列車は新夕張6時45分発であるが駅には6時についてしまった。新夕張は切符売り場もあるがブラインドがまだ閉まっていて、ここで夕張方向と道東方面に分岐するためホームは0〜4番線まであり、ホームを連絡する通路は地下にある(3)。乗るまで時間があるが、列車の来る4番ホームで待つことにしよう。

 6時18分に札幌方向から追分発夕張行きの列車がやって来た(4)。この列車は3両編成で新夕張では誰も降りなかった、って誰も乗っていなかったよ。着いた早々、駅の人がやってきて最後尾の1両を切り離す。この車両は折り返し6時23分発千歳行き(5)になる。これには地元のおばちゃんが1人乗り込んだ。そして出発していった。



(1)立派な新夕張駅



(2)紅葉山駅名標が駅前にある



(3)広い通路でホームは繋がる



(4)追分発夕張行き?



(5)手前が千歳行き



(6)夕張行きの出発

 今度は、駅の人が先頭の車両を切り離す。この車両が6時30分発夕張行き(6)である。そしてこれにも地元のおばちゃんが1人乗り込んだ。そんな様子を激写していたら、気が着いたら先ほど楓の駅にいた旅行中の青年が現れた。

 そして残った真ん中の車両が。6時45分発楓行きの車両である。出発まで暇なので、先ほどの青年に声を掛けてみる。ちょっと無反応、俺のことはほっておいておくれって一瞬そんな感じだったが(ナレーションつけるならばガチンコ風)、たぶんいきなり話かけたのでびっくりしたのであろう。彼いわく、北海道を旅行する際楓が気になっていたとのことであった。

 列車は定刻、2人の乗客を乗せ隣駅の終点でもある楓へと出発した。夕張川を渡ると長いトンネルに入り、楓の集落の上を高架で抜け防雪シェルター(8)をくぐりる。



(7)楓行き車内



(8)楓駅到着、左に分岐



(9)ワンマン運転の料金表


 
(10)ワンマン用整理券

 発車して9分で楓駅定刻6時54分に行止りの3番ホームに列車は到着した(11)。何度もこの駅の横の国道を往来しているので、ここまでやってきたぞって気にはなれなく、特別な達成感は無かった。

 楓駅はホームが3つある。石勝線は道央と道東を結ぶ大動脈であり、折り返しをする列車は(と言ってもこの列車しかないのだが)本線上のホーム(12)を使わないのである。(8)の写真上でポイントが左側に開いているのが判るだろうか?。冬はガラガラの列車のために、この列車専用ホームまでの線路を除雪をする訳だね。

 楓駅に到着の8分後、7時2分に新夕張へと列車は折り返すのだが、この列車が楓発の最終列車で、明日は日曜日だからこの列車に乗り過ごすと列車に乗るのであれば2日待たなければならない(笑)。でも乗客は、一緒に乗ってきた青年だけで地元の人も乗らないのであった(このあとある光景を目にするのだ…)

 他の楓駅サイトでは地元の人が乗っていることを記載しているようだが、土曜日はこの駅を利用する人間はある意味、鉄オタ、ちょっと変わり者(僕?)しかいない可能性があるのかも…。

 僕は折り返しの列車に乗らないのでホームで列車を見送るのだが(13)、運転手さんは僕が列車で新夕張まで戻るのだと思っているので、7時2分に過ぎてもなかなか発車しない。運転手が列車の窓から顔を出し乗るように催促するが、乗らないので手で×を示し、静かに列車は先ほどの青年だけを乗せ動き出した。

 
 列車のいなくなった駅で、駅の周りを探索する。(11)の奥に移っている建物が駅舎(19、21も参照)で、待合室には地元の人は使わないであろうと思われるベンチが10脚(17)もある。1つに3人座るとして30人座れるよ。待合室の中央には発車時刻表があり(18)、1日1本の列車が表記されている。(注、17の写真は過去の撮影で、時刻表が大きかった)



(11)楓駅3番線と到着列車



(12)本線上にホームが2面



(13)朝なのに最終列車の出発



(14)3番線の駅名標



(15)雑草の中の2番線入口



(16)1番線の駅名標

 本線上のホームは(12)の写真の右が2番線であるので国道側から3-1-2番線と変則的にホームが並んでいる。3番線の駅名標(14)は隣駅は「しんゆうんばり」だけだが、本線上のホームの駅名標(16)は道東方面に「しむかっぷ」と表記されている。

 本線のホームで乗降はしないのだがもしここで列車を乗るのであれば1番線は国道からすぐ入れるが、2番線から乗ろうとすれば(12)の写真の上の跨線橋(砂利道)を渡り写真の端っこの白い部分の階段で降りなくてはならない。がしかし…、(15)の写真のように入口までの道は雑草が生茂っている。オバラくんと訪問したときは2番線までこの入口を入って行ってみたが、今回は行かないことにする。

 フラフラ探索していると、7時18分に貨物列車がやって来た(19)。貨物列車かっこい〜。これを撮影してふと駅のほうを見ると駅の横に人が立っている。そこにはバス停が…。そして7時24分にその人はバスに乗りこんだよ(20)。さっきのある光景とはこのことだよ。



(17)広〜い待合室



(18)発車時刻表



(19)貨物列車が通過する



(20)夕鉄バスに人が乗る



(21)楓駅と折りたたみ自転車
 この次のページは、(20)のバスの時刻表から始まり、
 自転車で新夕張まで戻る旅です。

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